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書評 - どうせ死ぬなら「がん」がいい

医学会の常識は、非常識!?現在のがん治療の常識をぶった切る。

『大往生したけりゃ医療とかかわるな』の中村仁一氏、『がん放置療法のすすめ』の近藤誠氏の対談を収録したこの本。中村氏は、高齢者施設の常勤医として自然死を遂げるお年寄りを多数見てきたお方で、
近藤氏は、癌の放射線治療が専門。

人間の寿命が80歳ぐらいと考えた場合、何歳ごろに癌が発症するかによっても癌との向き合い方が変わってくる。働き盛りで家族の大黒柱の場合は、頑張ってがんと闘ってなんとか克服しようとするだろう。
人生のピークはひとそれぞれ違うだろうが、ピークを超えたと感じた年齢で癌が発病したと分かったならば、あまりじたばたせずにありのまま癌を受け入れて、残りの人生を穏やかに過ごすのもひとつの考え方なのかもしれない。

どうやら悪性の癌と良性の癌があるようで、良性のものであればしこりなどで発覚してもとくにそれ以上は発達せずに、いずれはいなくなってしまうとのこと。
悪性の場合だと、しこりのような形で発見された場合はすでに手遅れで、切開して除去しても必ずどこかに転移してしまう。(多くの場合、発生源は別に有り、しこりのような形で発覚した場合はもう手遅れ。)
発覚→切除→転移→切除の繰り返しになってしまい、抗癌剤を使用してもがん細胞を完全に取り除くことはできない。そうなのであれば、むだなあがきをせずに癌とともに生きていくしかなさそうだ。そのほうが体への負担も少ない。

癌に限らず、高齢者への医療というのも考えていかなければならない。70歳を超えてくるといずれは朽ち果てる身。無駄な延命の治療や投薬で医療費が高騰してしまっているように感じざるを得ない。また、
体が生きることを拒絶しているのに、高濃度の点滴や胃ろうでむりに生命を延長してやしないか。医療のあり方について考えたほうがよさそうだ。

どうせ死ぬなら「がん」がいい (宝島社新書)
どうせ死ぬなら「がん」がいい (宝島社新書)近藤 誠 中村 仁一

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