書評 - リーダーを目指す人の心得
1年ぐらい前に出た本ですが、ずっと気になっていたのでついついポチリ。
リーダーを目指す人〜とタイトルとなっていますが、リーダーだろうが、スタッフだろうが、働く姿勢について考えさせられる本です。
軍隊という規律の厳しい世界ですが、情報を収集して対応方針を検討している時には、上官も部下も関係なく自分の意見をぶつけ、時には上官の意見に反対し、一方で、いったん上官が下した判断には自分のこととしてとらえ、その判断を最短で実施するようにすすめていく。ビジネスの世界でもまったくもって当てはまるなと考えさせらる。
何社かで働いてみた最近の傾向として、(特に若い子)自分の興味のあること、やりたいことしかしない、上司が下した判断でもぶつぶつと不満そうに仕事をすすめる、情報を集めて対応方針を検討する場なのに上司の顔色だけを伺って(判断を待って)自分の意見を言わないなどなど、しっかりと意見をぶつける機会が減ってきているなーという印象。自分自身ふくめオープンな議論の場をつくり、意見をぶつけ、方針を関係者全員で共有するということをやっていきたいなと。
著者のパウエル氏の行動パターンとしていいなと思ったこと。会議や報告など正式な情報のルートだけでなく、ふらっと現場を突然おとずれ、雑談のなかから現場で起きている問題や現場の意見を吸い上げる。現場で起きている課題の積み重ねが国防の妨げになる。課題は解決するものであり、そのためにリーダーがいる。問題の報告や相談がこないリーダーは危機感を覚えたほうがよい。現場の問題は、正しいルートを通じて解決を図る。
ビジネスシーンにおけるモラル、ガバナンスの構築にも考えさせられる良本でした。
リーダーを目指す人の心得 | |
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